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制度の改正によって注目度や利用者が増したNISAですが、これから始めようと決めた方にとって最初の関門は「口座の開設」であり、数ある候補の中から一体どの金融機関で始めるべきか? について頭を悩ませている方も少なくないはず。
そこで今回は、新NISAを始めるにあたって、銀行と証券会社のどちらで口座を開くべきか? について解いていきます。
なお、新NISAの制度については別の記事で詳しく解説していますので、制度の詳細を知りたい方はあわせてお読みください。
>>【プロが監修】2024年からの新NISAとは?制度の変更点と賢い運用方法を紹介
この記事でわかること
・銀行と証券会社の違い
・新NISAの口座開設時に比較するべきポイント
・新NISAを始めるならおすすめの口座
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
新NISA口座を開く前に知っておくべき銀行・証券会社の「違い」とは?
そもそも、銀行と証券会社の差異について明確に把握できているでしょうか?
一般的に証券会社は資金を必要とする企業や国に対して、資金を提供する側が直接的に出資する「直接金融機関」であることに対し、銀行は預金者から預かったお金を必要な人や企業に貸し出すといった「間接金融機関」であると言われています。
どちらも企業や国が必資金を調達するにあたって、重要な役割を担っていることに違いはありませんが、細かい差異はどうなっているのか?
ここでは、銀行と証券会社の明確な違いについて解説していきます。
商品ラインナップの違い
最たる違いの筆頭は金融商品のラインナップです。
<証券会社で取り扱う金融商品> | <銀行で取り扱う金融商品> |
---|---|
・国内株式/外国株式 ・国内債券/外貨建て株式 ・国内ETF /海外ETF ・投資信託 ・ファンドラップ ・外貨建てMMF ・保険商品 | ・円預金/外貨預金 ・投資信託 ・債券 ・ファンドラップ ・保険商品 ・各種ローン ・宝くじ |
パッと見てわかるように、証券会社で取り扱っている金融商品は、そのほとんどが投資性の高いものばかりで、銀行では購入できない株式やETFといったものまで網羅しています。
一方、銀行は投資商品こそあるものの、ローンや信託商品など、多様なニーズに応えるために、手広く商品を用意していることがわかります。
最低積立額の違い
口座を開設するにあたり、絶対にチェックしておくべき重要事項が『最低積立額』です。中には「え?金融機関によって違うの?」と驚く方もいるかもしれません。大まかに違いをまとめると・・・
<金融機関別最低積立額の比較>
銀行 | 1,000円~ |
ネット銀行 | 500円~ |
証券会社 | 100円~ |
ネット証券 | 100円~ |
証券会社は対面・ネット共に100円から積み立てることが可能。
一方銀行の場合は、ネットなら500円から可能なところがあることに対し、対面は1,000円からが最低となっています。
中には10,000円からという銀行もあることから、少額から始めたい場合は銀行よりも証券会社の方がおすすめです。
ちなみに、「積立頻度」については「毎月」というところが多い一方で、証券会社の中には「毎日」「毎週」「隔月」と、選択の幅が広いところがあるあたりも覚えておくと良いでしょう。
≫NISAの積立は毎日 vs 毎月どちらが有利?実は積立頻度より大事な2つの掟
【銀行・証券会社共通】対面型とネット型のメリット・デメリットを知ろう
NISA口座を開くのは、銀行と証券会社のどちらが良いか?
その問題において欠かせないのは、対面型かネット型かで良し悪しが異なる点です。
昨今では、PCはもちろんスマホやタブレットで手軽に口座開設できますが、手軽すぎる故の問題がある点も否めません。
そこでまず同章では、銀行・証券会社をネットもしくは対面のメリット・デメリットについて解説していきます。
【対面】メリット:不明点をすぐに解消できる
手間がかからないのはネットの方なのでは? と思いきや、実は対面の方が手続きは楽です。
なぜなら、担当者とマンツーマンで口座開設手続きをするということは、不明な点があってもすぐに質問できる上に、書面への記入さえ済ませてしまえば、後は窓口担当に委ねるのみだからです。
ネットの場合、不明な点があって手続きが進まないと、ネットで検索したり、質問専用チャットを使ってやり取りするという手間が発生します。対面ならそんな面倒なことをしなくても、目の前の担当に質問するだけで解決できると考えると、対面の方が手続きはスムーズだと言えるでしょう。
【対面】デメリット:商品PRと称した営業活動が活発
不明な点をその場で質問し、すぐさま解消できるのは間違いなく顧客側にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
しかし、業者側にとっても目の前に顧客がいる状況は、自社の商品を存分にアピールできる大きなビジネスチャンスになります。口座を開いた訳ですから、当然何かしらの金融商品を購入する可能性がある訳で、売り込むには絶好の機会です。
そのチャンスを逃すまいと、躍起になって営業をかけてくる窓口担当がいるのは否定できません。
【ネット】メリット:キャンペーンが充実している
ネットで口座を開設すると⚫︎⚫︎ポイントがもらえる、もしくは⚫︎⚫︎円キャッシュバックなどのキャンペーン広告を見たことがあると思います。
特にNISA制度が始まってからは、多くの金融機関で誘致の為のキャンペーンが頻繁に行われており、新規ユーザーの獲得に大きく貢献したと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに、キャンペーンで受けられる恩恵は、基本的に「取引開始」が前提になるものばかりですが、中には口座を開くだけでも恩恵を受けられるキャンペーンなどもあります。
以下の記事では、口座開設でお得な特典のある証券口座を紹介しています。
≫投資家全員が開設必須の証券口座2選 | 持っていなければ今すぐ開設推奨!ケース別おすすめ証券会社も紹介
【ネット】デメリット:全て自力で対応しなければならない
ネット型を利用するメリットは、何と言ってもその「手軽さ」にあります。時間や場所を選ばず、自身の都合に合わせてできるため、仕事や家事に追われている方にとっては嬉しい手段でしょう。
しかし、対面とは違って、一人で全てこなす必要があると考えると、本当にメリットと言って良いかどうかわからないところ。何より不便なのは「不明点をすぐに質問できない点」であり、検索する手間や誰かに電話やメールで聞く時間を考えると、対面の方が楽かもしれないと思ってしまうこともあるでしょう。
銀行・証券会社のメリット・デメリットを知ろう
前章では銀行・証券会社の違いなく、「対面型・ネット型」の良し悪しについて紹介しましたが、ここでは銀行と証券会社のメリット・デメリットについて言及していきたいと思います。
そもそも、金融機関ごとに優劣の差があること自体、理解できないという方もいるかもしれませんが、小売店であるスーパーとコンビニに差異があるように、銀行と証券会社にも確固たる違いが存在します。
自身にとって都合が良い金融機関は果たしてどちらなのか? 以下をお読みいただき、判断の材料にしてみて下さい。
【銀行】メリット:手間が少ない
銀行でNISAを始めるに当たって、最たるメリットはやはり「手間が少ない点」でしょう。
例えば、証券会社で口座を開いた場合、メインバンクの管理に加え、別の金融機関の口座も管理する必要に迫られてしまいます。残高の確認はもちろん、資金を移動する際にも、複数のwebサイトを行き来し、全ての口座をチェックするのは手間以外の何物でもありません。
しかし、普段使っている銀行で証券口座を持つなら、残高の確認はもちろん、残高証明を出す際や資金の移動もかなり楽になります。
【銀行】デメリット:取り扱い商品が少なさと手数料の高さ
手間がかからない点をメリットとして挙げましたが、実際に金融商品を購入し、運用するとなると厄介な問題が浮上します。それは「取り扱う商品が証券会社よりも格段に少ない点」です。
NISA口座を開く場合、銀行で購入できるのは投資信託のみとなり、株式や債券は購入できません。投信以外の商品も購入したいと考えるなら、やはり証券会社で口座を開くしか方法がない点を覚えておきましょう。
さらにもう一点のデメリットは「手数料の高さ」です。ご存じの方も多いと思いますが、投資信託には3つの手数料がかかり・・・
①販売手数料
②運用手数料(信託報酬)
③解約手数料
①と③については、無料になっている金融機関が多いため比較はできませんが、運用手数料は差が大きく、とりわけ銀行は証券会社よりも高く設定しているケースが多いと言われています。一点比較してみると・・・
⚫︎iFree S&P500インデックス(三菱UFJ銀行)・・・0.2475%
⚫︎eMAXIS Slim 米国株式 S&P500(楽天証券)・・・0.09372%
以上のように、価格差は段違いです。
その上取扱商品数も少ないとなれば、証券会社の方に支持が集まるのは必至と言えます。
【証券会社】メリット:取り扱い銘柄数が多い
具体的な数字については、金融機関ごとに以降で詳しく紹介しますが、証券会社のメリットは何と言っても取り扱う商品の数が多い点に尽きます。
例えば銀行の場合だと、多くても20銘柄程度の取り扱いしかないことに対し、証券会社の場合は平均的に200銘柄程度は取り揃えています。数が多いと目移りして面倒という方は銀行を選んでもよいのかもしれませんが、銘柄が多いのは単純に選択肢が増えるのでプラス要素しかありません。
【証券会社】デメリット:トラブル時の対処が面倒
ネット型の弱点がこの「トラブル時の対処が面倒」という点です。
対面なら電話一本もしくは店舗へ出向くことで対処できますが、ネット場合だと稀にチャットでオペレーターとやり取りできるところもありますが、メールのみという場合がほぼ。いかんせんトラブルを解消するまでに時間がかかってしまうことが一番のデメリットと言えます。
新NISA口座を開くのに最適な金融機関を紹介
最後にご紹介するのは、おすすめの金融機関についてです。
銀行・証券会社ともにメリット・デメリットを持っており、ユーザーが何を求めるかによって、銀行と証券会社のどちらが相応しいのか? はたまた、どの銀行、どの証券会社が合っているのかが異なります。
厳選した個々の金融機関が持つ特徴をしっかりと把握して、パートナー選びの参考にしてみて下さい。
おすすめ証券会社①楽天証券
最もポピュラーなネット証券はどこか? と問われたら、間違いなく多くの方が楽天証券を挙げるのではないでしょうか。母体の知名度もさることながら、証券会社としても非常に高く評価されています。では、比較項目はどうなっているのかというと・・・
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・200銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・57銘柄
⚫︎最低積立額・・・100円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められる(0.5〜1.0%)
特筆すべきはポイント還元です。楽天ポイントを貯めている方にとっては、毎月定期で買い物にも使える実用的なポイントが加算されるため、節約にも大いに役立ちます。還元率も最大で1.0%と高く、キャンペーン時はさらに上がることもある模様。口座開設を機に楽天ユーザーになるのもおすすめです。
おすすめ証券会社②SBI証券
国内株式個人取引シェア1位を獲得したこともある人気の証券会社。
キャンペーンの開催は他よりも少なめですが、それに有り余るボリューム感なので問題ありません。詳細は以下の通りです。
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・210銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・70銘柄
⚫︎最低積立額・・・100円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められる(0.5〜5.0%)
全ての項目で今回紹介している金融機関の中で最も優れているという結果が出ました。何と言っても信託報酬が低い銘柄数が他を圧倒しており、かつポイント還元率も最大で5.0%とキャンペーンなどなくてもお得感のある証券会社と言えるでしょう。
おすすめ証券会社③auカブコム証券
最後はauカブコム証券です。ご存じauブランドを持つKDDIが、三菱UFJフィナンシャルグループを手を組んで誕生した証券会社であり、特徴は何と言っても特典が豊富な点。auユーザーにはかなりメリットのある手数料割引サービスや、じぶん銀行の普通預金金利が100倍に跳ね上がるサービスなど、かなりユニークでお得なサービスが多く、auユーザー以外の加入者も増えているそう。そして気になるステータスは・・・
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・197銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・67銘柄
⚫︎最低積立額・・・100円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められる(1.0%)
とにかくマメにキャンペーンを行っているので、その内容に応じて口座を開くかどうかを検討してもよいかもしれません。前記したように、auの携帯サービスやauの電気サービスなどを使っている方はメリットが多いので迷わずこちらの証券会社を選ぶことをおすすめします。
おすすめ銀行①三菱UFJ銀行
ご存じ三菱UFJ銀行で購入できるNISA対応の銘柄数は20銘柄とやや少なめです。
前記したように銀行は信託報酬も高く設定しているケースが多く、同行の場合、信託報酬0.2%以下の商品は2銘柄となっています。最大手とあり、口座を開設するのは簡単で、かつトラブル時の対処も比較的楽な点がウリと言えるでしょう。トピックを一覧にすると以下の通りです。
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・20銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・2銘柄
⚫︎最低積立額・・・1,000円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められる(0.3%:上限300ポイント)
おすすめ銀行②ゆうちょ銀行
ややお堅いイメージの強いゆうちょ銀行でもNISA口座を開くことができます。
優位点は何と言っても店舗数の多さでしょう。どの地方・どの地域でも必ずあるベーシックな金融機関です。故に、信頼性・利便性共に高いことは言うまでもありません。では、ゆうちょ銀行のステータスは・・・
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・15銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・1銘柄
⚫︎最低積立額・・・1,000円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められない
おすすめ銀行③みずほ銀行
UFJに負けず高い知名度を誇るみずほ銀行でもNISA口座の開設は可能。ただし、前記した二行よりも状況は厳しいようで・・・
⚫︎NISA対応の銘柄数・・・12銘柄
⚫︎信託報酬0.2%以下の商品数・・・・9銘柄
⚫︎最低積立額・・・1,000円〜
⚫︎積み立てでポイントが貯まるかどうか・・・貯められない
以上になります。厳しいとは書いたものの、トピックは信託報酬の低い銘柄が多い点です。
UFJが2銘柄、ゆうちょが1銘柄であることに対し、みずほは9銘柄と大きく差をつけています。少しでもお得に、かつ投資信託メインで始めたい方にはみずほ銀行がおすすめです。
まとめ
⚫︎銀行・証券会社の「違い」
取り扱う商品が異なる
<証券会社で取り扱う金融商品> | <銀行で取り扱う金融商品> |
---|---|
・国内株式/外国株式 ・国内債券/外貨建て株式 ・国内ETF /海外ETF ・投資信託 ・ファンドラップ ・外貨建てMMF ・保険商品 | ・円預金/外貨預金 ・投資信託 ・債券 ・ファンドラップ ・保険商品 ・各種ローン ・宝くじ |
最低積立額が異なる
銀行 | 1,000円~ |
---|---|
ネット銀行 | 500円~ |
証券会社 | 100円~ |
ネット証券 | 100円~ |
⚫︎対面型とネット型のメリット・デメリット
・【対面】メリット:不明点をすぐに解消できる
・【対面】デメリット:商品PRと称した営業活動が活発
・【ネット】メリット:キャンペーンが充実している
・【ネット】デメリット全て自力で対応しなければならない
⚫︎銀行・証券会社のメリット・デメリット
・【銀行】メリット:手間が少ない
・【銀行】デメリット:取り扱い商品が少なさと手数料の高さ
・【証券会社】メリット:最低積立額が低い
・【証券会社】デメリット:トラブル時の対処が面倒
⚫︎新NISA口座を開くのに最適な金融機関
・おすすめ証券会社①楽天証券
・おすすめ証券会社②SBI証券
・おすすめ証券会社③auカブコム証券
・おすすめ銀行①三菱UFJ銀行
・おすすめ銀行②ゆうちょ銀行
・おすすめ銀行③みずほ銀行
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