
【2026年最新】航空会社の株は買うべきか?ANA・JALの株価展望と重要指標を初心者向けに徹底解説!
かつて「憧れの銘柄」であり、コロナ禍で「最大級の危機」を迎え、そして今や「過去最高益」を叩き出すまでに大復活を遂げた航空会社株。テレビのニュースや日常の風景、SNSでもたびたび話題になりますが、いざ「自分の大切な資金を投じて買うべきか?」と問われると、多くの投資家が判断に迷ってしまいます。
航空株は、値動きのクセ(ボラティリティ)が非常に強く、「知識を持たずに買うと大ケガをしやすいが、業界の仕組みとマクロ経済を理解して買えば、大きな値上がり益や魅力的な株主優待を狙える」という、極めて特徴的なセクターです。
本記事では、ANAやJALといった国内メガキャリアを主な対象に据えながら、航空会社株の全貌を圧倒的なボリュームと体系的な視点でわかりやすく、そしてどこよりも深く解説します。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
第1章:航空会社株の基本と「投資対象」としての魅力
投資を始める前に、まずは「航空株とはどういう特徴を持っているのか」というビジネスの骨組みを掴みましょう。ここを曖昧にしたまま「有名だから」「優待が欲しいから」という理由だけで参入すると、思わぬ市場の洗礼を受けることになります。
1. 航空株のビジネスモデルの特徴
航空会社のビジネスは、非常にシンプルでありながら、同時に「極めてコスト負担が重い」という二面性を持っています。
装置産業としての重厚さ: 航空機は1機あたり数十億〜数百億円という莫大な費用がかかります。これを自社で購入するか、あるいはリース(賃貸)契約を結び、膨大な維持費を払いながら飛ばすことで、乗客から運賃(チケット代)をもらうビジネスです。
驚異的な固定費の塊(カタマリ): 飛行機が満席であろうと、乗客が1人だけであろうと、飛行機を維持するための費用はほとんど変わりません。機体の減価償却費やリース料、定期的な重整備費、パイロットやCA(客室乗務員)の人件費、そして空港の使用料などは、運航する限り確実に発生します。
営業レバレッジという魔法と恐怖
乗客が少なくてもコストが減らないため、「景気が悪くなって乗客が減ると一気に巨額の赤字に転落する」反面、「景気が良くなって満席が続くと、増えた収入のほとんどが利益になる」という極端な構造を持っています。これを専門用語で「営業レバレッジが高い」と言います。航空株を攻略する上での最重要キーワードです。
2. 航空株の3大魅力
リスクも高い航空株ですが、それでも個人投資家を惹きつけてやまないのは、次の3つの大きなメリットがあるからです。
① 実利最強レベルの「株主優待」
国内の2大航空会社(ANAHD、JAL)の株主優待は、日本の株式市場全体を見渡してもトップクラスの人気を誇ります。
国内線の片道運賃が「50%割引」になる優待券が、保有株数に応じて年2回発行されます。
通常の割引チケットとは異なり、お盆や年末年始などの繁忙期でも(席数制限はあるものの)利用できるため、実家への帰省や旅行の頻度が高い人にとっては、これだけで実質的な投資リターン(利回り)が跳ね上がります。金券ショップでの換金性が高いことも特徴です。
② 「インバウンド(訪日外国人)」という最強の国策
日本政府は観光立国を推進しており、訪日外国人観光客の誘致に全力を挙げています。島国である日本に外国人がアクセスする手段は、事実上「飛行機」しかありません(クルーズ船なども一部ありますが割合としては僅かです)。つまり、日本が観光地として世界的な人気を維持し続ける限り、航空会社には長期的な需要が約束されていると言えます。
③ 業績回復期における「爆発的な株価上昇」
航空株は不況期やパニック時にとことん売られますが、そこからの回復期には株価が2倍、3倍と大きく跳ね上がることがあります。ディフェンシブ株(景気に左右されにくい食品やインフラの株)にはない、ダイナミックな値幅取り(キャピタルゲイン)が狙える点が、アクティブな投資家を魅了しています。
第2章:歴史から学ぶ航空株の「過去・現在・未来」
株式投資において、「歴史は繰り返す」というのは格言の一つです。航空業界が過去にどのような荒波を乗り越え、今どこに立ち、これからどこへ向かうのかを時系列で知ることは、未来の株価を予測する最強の武器になります。
【航空業界のタイムライン】
[過去] コロナ禍(2020-2022) ───> 壊滅的な打撃・移動制限・巨額赤字
[現在] 復活・最高益(2025-2026) ───> インバウンド爆発・高単価・財務修復
[未来] 新たな課題(2026以降) ───> 燃料高・人手不足・2030年問題
1. 【過去】暗黒のコロナ禍と「JAL破綻」の教訓
航空株の歴史は、定期的に訪れる「壊滅的な大赤字」の歴史でもあります。これを無視して投資することはできません。
2010年:JAL(日本航空)の経営破綻
当時、放漫経営や高コスト体質、政治的な思惑による不採算地方路線の維持などが重なり、JALは会社更生法の適用を申請(事実上の倒産)しました。株価は1円になり、多くの投資家が資産を失う悲劇となりました。
その後、京セラ創業者の稲盛和夫氏がタクトを振り、「アメーバ経営」を導入。全社員の意識改革と徹底的なコストカットを行い、高収益企業へと奇跡の再建を果たしました。現在のクリーンな財務体質はこの痛みの歴史の上にあります。
2020年〜2022年:新型コロナウイルスによる未曾有の危機
世界中で都市封鎖(ロックダウン)や移動制限がかかり、国際線は「乗客ゼロ」に近い状態が何ヶ月も続きました。
ANAもJALも数千億円規模の巨額の純損失を計上。生き残るために銀行から数千億円を借り入れ、さらに新たな株を発行して資金を集める「公募増資」を行いました。これにより1株あたりの価値が薄まり(希薄化)、株価は長期にわたって低迷。市場からは「航空会社が元の水準に戻るには10年かかる」とさえ囁かれていました。
2. 【現在】コロナからの完全復活と過去最高益への軌跡
しかし、市場の悲観論は裏切られました。直近の決算期において、日本の航空業界は劇的な大復活を遂げています。
過去最高益の更新ラッシュ: ANAホールディングス、JALともに、売上高や純利益がコロナ前の水準を大きく凌駕し、過去最高益を記録・維持するまでに回復しました。
「リベンジ消費」と「歴史的な円安」の掛け算: 3年間抑圧されていた人々の「旅に出たい」という欲求が爆発。さらに歴史的な円安が決定打となり、欧米、アジア、中東から日本への中長距離インバウンド客が怒涛の勢いで押し寄せました。
運賃単価の劇的な上昇: 「多少高くても日本に行きたい」「どうしても旅行したい」という旺盛な需要に対し、航空会社側は人手不足や機材のやりくりから、急激に便数を増やすことができませんでした。結果として「需要 > 供給」の状態が生まれ、航空券の価格(国際線・国内線ともに)が大きく上昇。これが、乗客数がコロナ前と同等でも、利益が過去最高になるという高利益体質を生み出しました。
3. 【未来】これから訪れる変化と構造的な課題
現在が最高潮であるからこそ、ここからの「未来」を冷徹に見極める必要があります。2026年以降の航空業界を占うキーワードは、以下の3点に集約されます。
慢性化する地政学リスクと燃料価格の不安定化: 中東情勢やウクライナ情勢の長期化により、ジェット燃料の価格は高水準で乱高下しています。後述する「サーチャージ(燃油特別付加運賃)」で一定の転嫁はできるものの、限界があり、燃料高は常に利益の押し下げ要因となります。
「2030年問題」に伴う深刻な人手不足: パイロットの高齢化と大量退職、さらに空港の地上係員(グランドハンドリング)や整備士の不足が極めて深刻です。「需要はあるのに、現場を回す人が足りないから減便せざるを得ない」という供給側のボトルネックが、今後の成長の天井を決めてしまうリスクがあります。
脱炭素(SAF:持続可能な航空燃料)への対応: 環境規制への対応として、従来の化石燃料から植物由来などのSAFへの切り替えが世界的に義務付けられつつあります。このSAFは従来の燃料の数倍のコストがかかるため、長期的なコストアップ要因として重くのしかかります。
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第3章:航空株の株価を左右する「5つの重要指標」
航空株を買うべきか判断するためには、一般的な企業分析(売上高やPER、PBRなど)だけでなく、「航空業界特有のモノサシ」をマスターする必要があります。この知識をインストールするだけで、初心者から「中級投資家」へと一気にステップアップできます。
| 指標名 | 読み方・意味 | 投資家がチェックすべきポイント |
| 原油価格(WTI / ブレント) | ジェット燃料の元となる原油の国際価格 | 下がれば利益増(プラス)、上がれば利益減(マイナス)。航空会社の損益を最もダイレクトに左右する。 |
| 為替レート(ドル円) | 1ドルが何円かという為替の動き | 円高=コスト減(燃料や機体リース代をドルで払うため)。円安=インバウンド増(売上増への貢献)。両刃の剣。 |
| ASK / RPK | 有効座席キロ(供給) / 有償旅客キロ(需要) | 航空会社の「生産量」と「売れた量」を表す。この2つの比率(搭乗率:ロードファクター)が高いほど儲かる。 |
| 燃油サーチャージ | 燃料高騰分を乗客に転嫁する追加運賃 | サーチャージが高すぎると旅行控えが起き、低すぎると航空会社の負担が増えるという絶妙なバランス。 |
| 自己資本比率 | 会社の全資産のうち、返済不要の自前資金の割合 | コロナ禍で負った巨額の借金をどれだけ返し、**財務の安全性(防御力)**を回復できたかを示す。 |
詳しく解説:なぜ為替と原油の動きがこれほど重要なのか?
航空会社は、全上場企業の中でもトップクラスに「外部環境(マクロ経済)に振り回されるビジネス」です。その理由を深掘りします。
原油価格の恐怖: 航空会社にとって、ジェット燃料費は総営業費用の約20%〜30%を占める最大のコスト要素です。原油価格が$1$バレル=70ドルから90ドルに跳ね上がるだけで、対策をしていない場合、年間で数百億円単位の利益が吹き飛びます。
為替のジレンマ: 航空会社にとって為替は非常に複雑です。
「コスト面」では円高が有利: 航空機本体の購入、リースの支払い、そして燃料の買い付けはすべて「米ドル建て」です。そのため、円高ドル安になれば、日本円ベースでの支払額が劇的に減り、利益が残りやすくなります。
「売上面」では円安が有利: 歴史的な円安は、外国人観光客にとって「日本のすべてがバーゲンセール」に見える状態を作ります。結果として国際線のビジネスクラスやファーストクラスが外国人客で埋まり、莫大なドル建て収入(または高単価の円収入)をもたらします。
プロの視点
現在は「円安によるインバウンドの爆発力」が勝っているため業績が良いですが、インバウンドの伸びが鈍化した局面で「円安+原油高」が継続すると、コストだけが高止まりして業績が急悪化するリスクを孕んでいます。決算発表時に会社側が提示する「前提為替レート」と「前提原油価格」を必ずチェックしてください。
第4章:国内2大メガキャリアの徹底比較(ANA vs JAL)
日本の航空株に投資する場合、選択肢は実質的に「ANAホールディングス(9202)」か「日本航空(JAL)(9201)」の二択、あるいはその両方に分散投資することになります。同じように見える2社ですが、企業のDNAや財務構造は驚くほど異なります。
1. ANAホールディングス(9202)の特徴と戦略
【ANAの構造】
├── フルサービス:ANA(国内・国際シェア1位)
├── LCC(格安航空):Peach(関西・成田拠点)
└── 貨物事業:日本貨物航空(NCA)を子会社化
名実ともに日本最大の航空会社: コロナ前からJALを追い抜き、国内線・国際線ともに旅客数・売上高でトップの座を維持しています。
積極的な多角化と「攻め」の経営: 格安航空会社(LCC)のパイオニアである「Peach(ピーチ)」を完全子会社化しており、さらに貨物専門航空会社である「日本貨物航空(NCA)」を傘下に収めるなど、航空に関わる市場を全方位で取りに行く戦略を得意とします。
業績のレバレッジ(爆発力): 規模が大きく、機材数も多いため、世界的な旅行ブームや好景気における「利益の跳ね上がり方」はJALを凌駕することがあります。ただし、逆風時の赤字額も大きくなりやすいという特徴があります。
2. 日本航空(JAL)(9201)の特徴と戦略
【JALの構造】
├── フルサービス:JAL(高い顧客満足度・堅実)
├── LCC展開:ZIPAIR(中長距離LCC)、SPRING JAPANなど
└── 非航空事業:マイル、金融(JAL NeoBank)、クレジットカード
破綻の教訓が生んだ「超・健全財務」: 一度倒産を経験しているため、コストに対する意識が非常にシビアです。無駄な投資を極力避け、筋肉質な経営体質を維持しています。自己資本比率の高さなど、安全性の指標ではANAを一歩リードすることが多いです。
高効率・高単価なビジネスモデル: むやみに規模を拡大するのではなく、収益性の高い路線(特に日米路線などのビジネス需要)にリソースを集中させる傾向があります。また、新型機(エアバスA350など)の導入による燃費改善を戦略的に進めています。
非航空事業(マイル経済圏)の強化: 景気に左右されやすい航空運賃以外の柱を作るため、「JALマイルライフ」を中心に、クレジットカード、不動産、金融、物販などの非航空事業を急速に強化しており、利益の安定化を図っています。
3. 【一目でわかる】ANAとJALの比較まとめ
| 項目 | ANAホールディングス(9202) | 日本航空(JAL)(9201) |
| 企業スタンス | 攻めの多角化(シェア拡大重視) | 守りの高効率(財務健全性・利益率重視) |
| 主要LCC | Peach Aviation | ZIPAIR, Spring Japan, Jetstar Japan |
| 財務の健全性 | 普通(コロナ禍の債務を順調に削減中) | 高い(自己資本比率に余裕あり) |
| 強み | 圧倒的な路線網、貨物・LCCの網羅性 | 顧客満足度の高さ、マイル経済圏の安定性 |
| こんな人向き | 景気回復局面での大きな値上がり益を狙いたい | 財務が安定した企業でリスクを抑えて保有したい |
・投資で収入を得たい、資産を増やしたい YES or NO
・リスクはできるだけ抑えたい YES or NO
・投資先の見極め方を知りたい YES or NO
・成功している投資家と接点が欲しい YES or NO
・物価上昇への対策には投資が必要と考えている YES or NO
第5章:今後の株価展望と「買うべきか?」の具体的判断基準
ここまでの分析を踏まえ、最も重要なテーマである「結局のところ、航空株は買うべきなのか?」という結論と、今後の株価シナリオを提示します。
1. 今後の株価展望(2つのシナリオ)
ポジティブ(株価上昇)シナリオ:目標株価の上方修正
インバウンドの「リピーター化」と地方分散: 外国人観光客が1回限りのブームに終わらず、リピーターとなって日本の地方都市へも足を運ぶようになれば、国際線のみならず国内地方路線の搭乗率も高止まりします。
原油価格の安定($1$バレル=70ドル以下への下落): シェールガスの増産や地政学リスクの緩和により原油価格が落ち着けば、航空会社のコストは劇的に減少。最高益をさらに更新する原動力になります。
積極的な株主還元(増配・自社株買い): 財務の修復を終えた両社が、配当金をコロナ前水準以上に増やしたり(増配)、市場から自社の株を買い戻して1株の価値を高める(自社株買い)を発表した場合、機関投資家の資金が一気に流入し、株価を押し上げます。
ネガティブ(株価下落)シナリオ:下値への警戒
世界的な景気後退(リセッション)の到来: アメリカや中国の景気が急速に冷え込んだ場合、企業は出張費を削減し、個人は海外旅行を手控えます。航空需要は景気に最も敏感であるため、業績予測の下方修正とともに株価は急落する可能性があります。
人手不足による「機会損失」の顕在化: 需要があるにもかかわらず、パイロットや整備士の不足によって新規路線を開設できない、あるいは減便せざるを得ない状況が長期化すると、成長の限界(カタリストの喪失)と見なされて株価が低迷します。
2. 【自己診断】あなたはどのタイプ?目的別の投資判断
航空株を買うべきかどうかの答えは、あなたの「投資目的」と「リスク許容度」によって完全に180度変わります。以下の3つのタイプから、自分がどれに当てはまるか考えてみてください。
タイプA:「株主優待」でお得に旅行・帰省したい人
投資判断:【買う価値あり(長期保有目的)】
あなたが年に数回、帰省や旅行でANAやJALの飛行機を利用するのであれば、株価の目先の値動きを過度に気にする必要はありません。現在の両社は過去最高益を出しており、コロナ禍のような破綻リスクは極めて低いです。「優待をもらい続けるための実需の投資」として、NISA(少額投資非課税制度)などを活用して長期保有するのは非常に賢い選択です。
タイプB:「配当金」で毎月・毎年の生活費を豊かにしたい人
投資判断:【あまりおすすめしない(他のセクターを推奨)】
航空株は絵に描いたような「景気敏感株」です。業績が良い時は3%〜4%を超える高い配当利回りを提示することもありますが、不況や感染症、テロなどの有事の際には、一瞬で「無配(配当ゼロ)」になります。老後資金の足しにするなど、安定したインカムゲインを期待する場合は、航空株ではなく、通信(NTT・KDDI)や大型銀行、あるいはインフラ株(電力・ガス)などを選ぶのがセオリーです。
タイプC:「値上がり益(キャピタルゲイン)」を短期〜中期で狙いたい人
投資判断:【知識とタイミング次第(エッジが必要)】
為替や原油価格、月次の旅客数データ(各社が毎月発表する搭乗率速報)など、株価を動かす材料(カタリスト)が豊富にあるため、アクティブトレードの対象としては非常にエキサイティングな銘柄です。ただし、「噂で買って事実で売る」という動きが発生しやすいため、チャート分析やマクロ経済のニュースを毎日チェックできる時間と知識が必要です。
第6章:投資初心者が市場で生き残るために不可欠な「知識の重要性」
「誰もが名前を知っている大企業だから、買って放っておけば安心だろう」という思考は、株式市場において最も大きな損失を生み出す原因になります。特に航空株においては、その傾向が顕著です。
1. 知識の有無が「天国と地獄」を分ける具体例
航空株投資において、勉強をしている人とそうでない人の間には、以下のような決定的な差が生まれます。
知識のない投資家(感情で動く):
テレビで「インバウンド過去最高!京都や東京は外国人だらけ」というニュースを見て、「航空会社はさぞ儲かっているだろう」と、株価がすでにその好材料を織り込んでピーク(天井)にある時に購入してしまいます。その後、原油高や為替の転換、あるいは利益確定の売りに押されて株価が下がると、恐怖でパニックになり、最悪のタイミング(大底)で損切りをしてしまいます。
知識のある投資家(ロジックで動く):
「現在の最高益は、リベンジ消費という一時的な要因と、極端な円安によるものだ。ここからは人手不足に伴う人件費の上昇や、新型機導入の減価償却費が重くなるフェーズ(時期)に入る。だから、今の株価水準で飛びつくのは危険。次の四半期決算で業績予想の進捗を確認し、株価が一時的な悪材料で売られて割安になった局面(押し目)を虎視眈々と狙おう」と、冷静にゲームを組み立てることができます。
2. 初心者が大ケガをしないための「3つの具体的アクション」
もしあなたが「航空株への投資に挑戦してみたい」と思ったなら、明日いきなりまとまった資金を投じるのではなく、以下のステップを必ず踏んでください。
「単元未満株(1株投資)」からスタートする:
日本の株式は通常100株単位(ANAやJALなら数十万円が必要)ですが、現在の証券会社(SBI証券や楽天証券など)の多くは、1株(数千円)から購入できる制度を用意しています。まずは数株だけ購入し、「自分のインカムが実際に数円、数十円動く」のを経験してください。ニュースへの感度が全く変わります。
月次の「旅客輸送実績」を定点観測する:
ANAもJALも、毎月の中旬〜下旬に「前月の国内線・国際線の旅客数と搭乗率(%)」をホームページで開示しています。これはいわば、3ヶ月に一度の決算発表を待たずに得られる「企業の成績表」です。搭乗率が75%〜80%以上を維持できているかをチェックする癖をつけましょう。
「想定為替レート」と「感応度」を理解する:
決算説明会資料(投資家向けページで誰でも読めます)を開くと、「為替が1円円安になると利益がどれくらい変わるか」「原油が1ドル動くとどれくらい影響があるか」という「感応度(ディレクション)」が明記されています。これを頭に入れておくことで、朝のニュースで為替や原油が大きく動いた際、その日の株価の動きを先読みできるようになります。
結論:航空株を「買うべきか」の最終アンサー
最終的な結論として、航空会社株は「万人向けの『ほったらかし型』投資銘柄ではないが、目的(優待実需、または景気サイクルの波乗り)が明確な投資家にとっては、唯一無二の輝きを放つ魅力的な投資先」です。
現在の日本の航空業界は、コロナ禍という「100年に一度の嵐」を耐え抜き、高コスト体質を徹底的に削ぎ落とした「筋肉質な企業」へと生まれ変わりました。その結果としての過去最高益です。地力(ファンダメンタルズ)はかつてないほど強固です。
しかし、株価というものは「現在の業績の良さ」ではなく、「未来の業績がさらに良くなるか、それとも悪くなるか」の予測で動きます。
これから投資を検討する方は、本記事で解説した以下のチェックリストをノートに書き留めておいてください。
[ ] 原油価格(WTI)は高騰しすぎていないか?
[ ] 為替レートは、コストとインバウンドのバランスが良い水準か?
[ ] 各社が発表する月次の「搭乗率」は高水準を維持しているか?
[ ] 自分の投資目的は「優待(長期)」か、「値上がり益(中期・短期)」か?
自身の投資スタイルとリスク許容度、そして市場の環境が合致したとき、航空株への投資はあなたのポートフォリオに大きな実りをもたらしてくれるでしょう。しっかりと知識という名のシートベルトを締め、冷静な判断のもとで市場という大空へテイクオフしてください。
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【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。




