
新NISA・iDeCo・損益通算・繰越控除まで、国に認可されている「節税できる投資術」を丁寧に整理する
はじめに
「投資をしながら節税できる」と聞くと、少しうまい話に聞こえるかもしれません。
ですが、これは怪しい話ではありません。
日本には、資産形成を後押しするために、税制面で優遇された制度が実際に用意されています。
代表的なものが新NISAとiDeCoですし、それ以外にも上場株式等の譲渡損失と配当の損益通算や3年間の繰越控除、特定口座の活用、配当課税方式の選択など、知っているかどうかで手取りが変わる仕組みがあります。
ただし、ここで大切なのは、「節税できるから投資すべき」と短絡しないことです。
投資はあくまで投資です。
元本保証ではありませんし、制度が良くても商品選びを間違えれば損をすることもあります。
だから本当に重要なのは、
どの制度が、どんな目的のお金に向いているのか
どんな税金がどう軽くなるのか
逆に、どんな注意点があるのか
を理解することです。
また、節税と脱税はまったく別です。
節税は、制度に従って正しく申告し、必要な税金を納めたうえで、使える優遇を使うことです。
一方、利益や配当を隠したり、申告が必要なのに申告しなかったり、損失を不正に見せたりするのは違法です。
この点は絶対に曖昧にしてはいけません。
合法な節税は使ってよい。
でも、納税義務があるものは必ず納税する。
これが大前提です。
この記事では、
投資しながら節税できる主な方法
それぞれの仕組み
どんな人に向いているか
見落としやすい注意点
を、できるだけ網羅的に整理します。
結論を先に言えば、投資で節税を考えるときに本当に大切なのは、
「一番得する制度」を探すことではなく、「目的に合った制度を正しく使い分けること」
です。
ここが見えると、節税はテクニックではなく、資産形成の設計の一部として理解しやすくなります。
第1章 そもそも「投資しながら節税」とは何を意味するのかをわかりやすく解説
まず最初に整理したいのは、「投資しながら節税」とは何を指すのかです。
これは大きく分けると、次の3つです。
一つ目は、運用益や配当が非課税になる制度を使うことです。
新NISAやiDeCoの運用益非課税が代表例です。
通常、上場株式等の譲渡益や配当には原則として**20.315%**の税がかかりますが、一定の制度の中で運用すれば、その税負担を抑えたり、ゼロにできたりします。
二つ目は、掛金や拠出額が所得控除の対象になる制度を使うことです。
これは特にiDeCoが代表的です。
iDeCoでは掛金が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、課税所得を減らす効果があります。
つまり、利益が出た後の税金を減らすだけでなく、そもそもの所得税・住民税の計算対象を小さくすることができます。
三つ目は、損失が出たときに税務上有利に処理することです。
投資ではいつも利益が出るとは限りません。
もし上場株式等の譲渡損失が出た場合、一定の条件のもとで上場株式等の配当等と損益通算したり、控除しきれない損失を翌年以後3年間繰り越したりできます。
これは「損をしたのだから節税になる」というより、税金を払いすぎないための調整制度です。
ただし、確定申告が必要になるケースもあるため、仕組みを理解していないと取りこぼしやすい制度でもあります。
つまり、「投資しながら節税」という言葉の中身は、
非課税
所得控除
損益通算・繰越控除
の3つが中心です。
ここを最初に分けて考えると、各制度の意味がかなり整理しやすくなります。
初心者の方がやりがちな誤解は、「節税できる投資=何か特別な裏技がある」と思ってしまうことです。
ですが、実際はそうではありません。
多くは公的制度や税制のルールそのものです。
つまり、
知っていて使う人は手取りを守りやすく、知らない人は普通に多く税金を払う
というだけの話でもあります。
だからこそ、怪しい方法ではなく、制度そのものをきちんと理解することが一番重要です。
第2章 新NISAは「投資しながら節税」の基本だとわかりやすく解説
節税できる投資術の中で、まず最初に出てくるのが新NISAです。
金融庁のNISA特設サイトでは、NISAは少額投資非課税制度として位置づけられており、2024年からの新制度では、生涯の非課税保有限度額は1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円までとされています。
また、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる仕組みです。
さらに、金融庁広報誌では、現行制度でつみたて投資枠の年間投資枠は120万円であることが示されています。
一般的な制度理解としては、成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円で、非課税保有限度額の総枠は1,800万円です。
つまり、かなり大きな金額まで非課税で運用できる制度になっています。
新NISAの最大のメリットは、やはり運用益や配当・分配金が非課税になることです。
通常、上場株式等の譲渡益や配当には20.315%の税金がかかります。
でもNISA口座内で保有している商品については、制度の範囲内でその税負担を避けられます。
これは長期ではかなり大きいです。
なぜなら、利益が出るたびに税金で削られないため、再投資の効率が高まりやすいからです。
また、新NISAでは売却後に翌年以降、簿価ベースで非課税投資枠が復活し再利用できると金融庁は説明しています。
これは旧制度より使いやすくなった点の一つです。
つまり、一度使った枠でも、売却すれば永遠に消えるわけではなく、一定の条件で再利用可能です。
この柔軟性は、長期の資産形成においてかなり大きな特徴です。
ただし、NISAにも注意点があります。
一つ目は、NISA口座内で出た損失は税務上なかったものとして扱われやすいことです。
NISAの強みは非課税ですが、その裏返しとして、課税口座のように損益通算や繰越控除の対象にしにくいという性格があります。
国税庁の「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の説明でも、NISA口座に関する注記があり、NISA内の損失は通常の課税口座と同じようには扱えません。
つまり、利益には強いが、損失処理では不利な面もあるのです。
二つ目は、NISAは節税制度であって、元本保証制度ではないことです。
これを忘れると危ないです。
非課税だから安全なのではありません。
あくまで税金がかからないだけで、投資対象の値動きリスクはそのままです。
ですから、制度の優秀さと、商品選びの慎重さは別問題です。
三つ目は、NISAで何を買うかが非常に重要だということです。
同じNISAでも、つみたて投資枠の対象商品と、成長投資枠で買える商品では性格がかなり違います。
新NISAを使うときは、「とりあえず枠を埋める」ではなく、どの目的のお金を、どの時間軸で置くかを考える必要があります。
初心者向けに一言でいえば、新NISAは
「利益が出たときの税金を減らしながら資産形成しやすい制度」
です。
ただし、それは「何を買っても得する」制度ではありません。
非課税という器をどう使うかが大切です。
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第3章 iDeCoは「節税効果が最もわかりやすい投資制度」の一つだとわかりやすく解説
次に、節税できる投資術として非常に重要なのが**iDeCo(個人型確定拠出年金)**です。
iDeCo公式サイトでは、iDeCoは自分で掛金を拠出し、自分で運用し、老後資金を形成する制度と説明されています。
そして、節税面のメリットとして、
掛金が全額所得控除
運用益も非課税で再投資
受取時も一定の控除
が案内されています。
iDeCoが特に強いのは、NISAと違って入り口から節税効果があることです。
NISAは「利益が出たときの税金を減らす」制度です。
一方、iDeCoはそれに加えて、掛金そのものが所得控除の対象になります。
iDeCo公式サイトの説明では、たとえば毎月1万円の掛金なら、その全額が税額軽減の対象になり、所得税10%・住民税10%の例では年間2.4万円の税軽減効果があるとされています。
これは非常にわかりやすいです。
つまりiDeCoは、投資しながら、今の税負担も軽くしやすい制度です。
さらに、運用中の利益も非課税です。
通常は20.315%課税される運用益が、iDeCo内では非課税で再投資されます。
これにより、長期間積み立てるほど複利の恩恵を受けやすくなります。
しかもiDeCoは老後資金形成に特化した制度なので、途中で使いにくい分、逆に「老後用のお金」を他の目的から切り離しやすい利点があります。
また、受取時も税務上の優遇があります。
iDeCo公式サイトでは、年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金として受け取る場合は退職所得控除の対象になると説明しています。
つまり、
拠出時に控除
運用時に非課税
受取時にも一定の優遇
という、かなり強い三段構えになっています。
この意味で、iDeCoは「節税できる投資術」としては非常に強力です。
ただし、iDeCoにははっきりした弱点もあります。
最大の弱点は、原則60歳まで引き出せないことです。
これは制度上の特徴であり、iDeCoの強みでもありますが、流動性という意味では大きな制約です。
教育費や住宅費、転職や介護などに備えるお金には向きません。
だから、iDeCoは節税効果が大きいからといって、生活防衛資金まで回してよい制度ではありません。
老後専用と割り切る必要があります。
また、iDeCoは制度の箱であり、中で何を選ぶかも重要です。
元本確保型の商品もあれば、投資信託型もあります。
制度が優れていても、運用商品選びが雑だと期待とのズレが出やすいです。
初心者向けに一言でまとめるなら、iDeCoは
「投資をしながら節税」の中でも、最も節税効果が見えやすい制度の一つ
です。
ただし、
自由に使えない老後専用資金として扱う必要がある
という点を忘れてはいけません。
第4章 特定口座を使うこと自体が「税務をラクにする節税術」の土台だとわかりやすく解説
「節税」というと、NISAやiDeCoばかりが注目されます。
ですが、実は特定口座をどう使うかも非常に重要です。
これは税額を直接ゼロにする制度ではありませんが、税務処理を正しく、ラクにし、必要な損益通算や申告をしやすくする土台になります。
国税庁の説明では、特定口座(源泉徴収あり)を選択した場合、その特定口座における上場株式等の譲渡所得については、原則として確定申告不要です。
つまり、証券会社が税額計算や源泉徴収を行ってくれるため、通常の株取引で利益が出たときの税務負担がかなり軽くなります。
これは初心者には大きいです。
なぜなら、投資で儲かったときに、毎回自分で取得費や売却益を細かく計算し、申告しなければならないと思うと、かなりハードルが高いからです。
特定口座を使えば、その事務負担をかなり減らせます。
また、年間取引報告書などをもとに、必要なときだけ確定申告する、という流れも取りやすくなります。
さらに、特定口座は、損益通算や繰越控除の準備をしやすくする意味でも重要です。
後で詳しく書きますが、上場株式等の損失を配当等と通算したり、翌年以後3年間繰り越したりするには、正確な損益の把握が必要です。
特定口座を使っていれば、その記録が整理されやすいです。
つまり、特定口座は節税の“本丸”ではないものの、合法的な節税制度を取りこぼさないための基盤です。
ただし、注意点もあります。
特定口座(源泉徴収あり)なら原則確定申告不要ですが、損失を繰り越したい、配当と通算したい、課税方式を自分で選びたいといった場合には、あえて確定申告をしたほうが有利になることがあります。
つまり、「源泉徴収ありだから全部終わり」ではなく、必要に応じて確定申告することで、税金を払いすぎないようにすることが大事です。
初心者向けに言えば、特定口座は
節税の制度そのものではないが、税務を整理し、使える節税制度をちゃんと使うための土台
です。
投資を始めるときに軽く見てはいけないポイントです。
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第5章 損益通算は「損した年に税金を払いすぎないための重要制度」だとわかりやすく解説
ここからは、節税の中でも実務色の強い話です。
投資で利益が出る年もあれば、損失が出る年もあります。
そんなときに重要なのが損益通算です。
国税庁の「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」では、金融商品取引業者等を通じた上場株式等の譲渡で生じた損失は、確定申告により、その年の**上場株式等の配当等に係る利子所得や配当所得(申告分離課税を選択したもの)**と損益通算できると説明されています。
つまり、株の売却で損をしたとき、その損失を使って、配当等の課税所得を小さくできる場合があるのです。
これはかなり大事です。
たとえば、
ある年に株の売却で大きな損失が出た。
でも同じ年に配当は受け取っていた。
このとき、何もしないと配当には税金がかかりっぱなしです。
しかし、申告分離課税を選んで確定申告すれば、その配当と損失を通算でき、税負担を減らせる可能性があります。
これは「節税」というより、本来払わなくてよい税金を調整する制度と言ったほうが正確です。
ただし、ここで大事なのは、何でも通算できるわけではないことです。
国税庁は、上場株式等の譲渡損失について、一定の要件を満たす場合に限り通算や繰越控除ができると説明しています。
また、いわゆる相対取引などでは対象外となる場合もあります。
さらに、NISA口座内の損失は通常の課税口座の損失と同じようには扱えません。
つまり、「損したら全部節税になる」と思うのは誤解です。
対象となる損失・対象とならない損失の区別が必要です。
また、配当との関係では、国税庁の「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」で説明されているように、配当には
申告不要制度
申告分離課税
総合課税
という選択肢があります。
損益通算をしたい場合は、通常、申告分離課税を選ぶ必要があります。
つまり、課税方式の選択と損益通算はつながっています。
ここを理解していないと、せっかく損失があっても活かしにくいです。
初心者向けにまとめると、損益通算とは、
投資で損失が出た年に、配当などにかかった税金を必要以上に払いすぎないための重要な制度
です。
派手ではありませんが、投資を長く続けるなら非常に大切です。
第6章 繰越控除は「損した年を無駄にしないための制度」だとわかりやすく解説
損益通算とセットで理解したいのが繰越控除です。
国税庁は、損益通算してもなお控除しきれない上場株式等の譲渡損失について、翌年以後3年間にわたり、確定申告により上場株式等の譲渡所得等や配当所得等から控除できると説明しています。
つまり、今年の損失を、来年以降の利益と相殺する仕組みです。
これは投資を長く続ける人ほど重要です。
なぜなら、投資は一年で完結しないからです。
今年は大きく損をしても、来年以降に利益が出ることがあります。
そのとき、何も制度がなければ、損した年は損したまま、翌年は翌年で利益に課税されます。
しかし繰越控除が使えれば、損失を未来に持ち越して、来年以降の税負担を軽くできます。
これはかなり合理的です。
ただし、繰越控除を使うには条件があります。
国税庁によると、損失が出た年に確定申告を行い、さらに翌年以後も連続して確定申告をする必要があります。
つまり、「今年だけ損失申告して、あとは放置」で自動的に使えるわけではありません。
毎年の申告が必要になるため、制度を知らないと取りこぼしやすいです。
ここで初心者が気をつけたいのは、申告不要だから楽、で終わらせてしまうことです。
特定口座(源泉徴収あり)なら、たしかに原則として確定申告不要です。
でも、損失を繰り越したいなら、あえて申告したほうが得になる場合があります。
つまり、
楽をするための制度
と
得を取りにいくための制度
は、ときどき使い分けが必要です。
ここが税務の難しいところでもあります。
また、繰越控除は「損したからラッキー」という話ではありません。
あくまで、損失が出たときに税務上の不利を少し和らげる制度です。
ここを誤解すると危ないです。
損失自体は損失であり、制度があるからといって得をするわけではありません。
ただ、何もしないよりは手取りを守りやすい。
その意味で重要です。
初心者向けに一言で言えば、繰越控除は
「今年の損失を、来年以降の税金計算に活かすための制度」
です。
損した年を税務上まったく無駄にしないための仕組みだと考えるとわかりやすいです。
第7章 配当の課税方式を選ぶことも節税につながる場合があるとわかりやすく解説
次に見落とされやすいのが、配当の課税方式の選択です。
上場株式等の配当には、国税庁の説明によると、
申告不要制度
申告分離課税
総合課税
という選択肢があります。
しかも、一度確定申告でどれかを選ぶと、その後で変更できないケースがあるため、かなり大事です。
この仕組みがなぜ節税につながるのか。
それは、人によって有利な課税方式が違うからです。
たとえば、
上場株式等の譲渡損失と配当を通算したい人
は、通常、申告分離課税を選ぶ必要があります。
一方で、
そもそも申告せずに完結させたい人
は申告不要制度のほうがシンプルです。
さらに、条件によっては総合課税のほうが有利になることもあります。
ここで大事なのは、「配当は自動的に最適な税制になるわけではない」という点です。
何もしなければ証券会社で源泉徴収されて終わることも多いですが、損益通算や控除の観点から見ると、あえて申告したほうが有利なケースがあります。
つまり、配当課税は「もらって終わり」ではなく、どう申告するかまでが税務の一部です。
ただし、初心者がここで気をつけたいのは、
配当課税方式の選択は、節税効果だけでなく、住民税や社会保険料への影響も含めて考える必要があることがある
点です。
この辺りは個別事情が大きく、年収や家族構成、他の所得状況でも変わります。
ですから、「誰にでもこれが一番得」とは言いにくいです。
配当が大きい人ほど、慎重に考えたほうがよい部分です。
初心者向けにまとめると、配当課税方式の選択は、
上級者向けの裏技ではなく、配当をどう税務処理するかの基本的な分かれ道
です。
損失との通算を考える人や、申告するか迷う人は、一度ここを整理しておく価値があります。
第8章 NISAとiDeCoはどう使い分けるべきかをわかりやすく解説
ここまで制度を見てくると、多くの人が気になるのが、
NISAとiDeCo、どちらを優先すべきか
という点だと思います。
ここはかなりよくある悩みです。
結論から言うと、どちらが絶対に上ではなく、お金の目的と流動性で分けるのが基本です。
新NISAは、運用益非課税という意味で非常に優秀です。
しかも、iDeCoに比べると取り崩しの自由度があります。
ですから、
老後専用とまでは言い切れないが、長く育てたいお金
にはかなり使いやすいです。
一方で、掛金が所得控除になるわけではないので、「今の税負担を減らす力」ではiDeCoに劣ります。
iDeCoは、掛金が全額所得控除、運用益非課税、受取時控除という意味で、節税効果そのものはかなり強いです。
ただし、原則60歳まで引き出しにくい。
だから、
老後専用で切り分けたいお金
には向いていますが、途中で使う可能性があるお金には向きません。
したがって、ざっくり言えば、
自由度を重視するならNISA
節税効果の強さを重視し、老後専用と割り切れるならiDeCo
という使い分けが基本です。
実際には、両方使う人も多いです。
その場合は、
まず生活防衛資金を確保する
→ 老後専用のお金はiDeCo
→ それ以外の長期資産形成はNISA
という考え方が整理しやすいです。
大事なのは、節税効果だけで判断しないことです。
iDeCoのほうが税制上得でも、生活資金を圧迫するなら本末転倒です。
NISAのほうが自由でも、老後のお金が後回しになるなら、それも問題です。
制度の優劣ではなく、使うお金の性格に合っているかを見ることが重要です。
第9章 節税できる投資術で絶対にやってはいけないことをわかりやすく解説
ここで、必ず書いておきたいことがあります。
それは、節税を意識するあまり、違法や危険なことに近づかないことです。
まず、当然ですが、脱税は違法です。
投資利益を申告しなければならないのに隠す。
損失を不正に大きく見せる。
配当や売却益を申告すべきなのに放置する。
こうした行為は節税ではありません。
国税庁は、不審なメールや電話への注意喚起だけでなく、納税に関する正しい手続を案内しており、国税の納付のために口座振込を求めるようなことはないとも明示しています。
つまり、税務は必ず正規の制度・正規の手続で行う必要があります。
次にやってはいけないのは、節税目的だけで投資商品を選ぶことです。
たとえば、iDeCoが節税になるからといって、生活防衛資金まで回してしまう。
NISAが非課税だからといって、値動きの大きい商品を理解せずに買う。
損益通算できるからといって、損を軽く考える。
これらは危険です。
節税はあくまで“投資判断を補助する要素”であって、投資の本質そのものではありません。
また、確定申告が必要なケースを見落とすことも危険です。
給与所得者でも、一定の条件に当てはまれば確定申告が必要になります。
国税庁は、給与所得者でも給与以外の所得が一定額を超える場合などに申告義務が生じると案内しています。
特定口座や源泉徴収ありを使っていても、損益通算や繰越控除、課税方式選択のためにあえて申告したほうがよいケースもあります。
つまり、「会社員だから税金は全部終わっている」と思い込むのも危険です。
最後に、SNSやネットの断片情報だけで判断しないことも大切です。
税制は毎年のように見直しが入り、制度改正もあります。
NISAもiDeCoも、過去と現在で内容が違います。
ですから、必ず金融庁、国税庁、iDeCo公式といった一次情報に当たることが重要です。
節税の話ほど、古い情報や不正確な要約が広まりやすいからです。
第10章 結局、「投資しながら節税」はどう考えるべきかをわかりやすく解説
最後に、この記事の結論を整理します。
「投資しながら節税する方法」は、たしかにあります。
しかも一つではありません。
新NISAで運用益を非課税にする。
iDeCoで掛金を所得控除しつつ、運用益も非課税にする。
特定口座を使って税務を整理する。
損益通算で損失を配当等と相殺する。
3年間の繰越控除で損失を翌年以降に活かす。
配当課税方式を見直して、払いすぎを防ぐ。
これらはすべて、制度として認められた合法な方法です。
ただし、本当に大事なのは、
節税できる制度を知ること
だけではありません。
それを、
どんな目的のお金に使うのか
どの時間軸で考えるのか
流動性が必要かどうか
と結びつけて考えることです。
節税制度は優秀です。
でも、優秀な制度を生活に合わない形で使えば、逆に苦しくなります。
iDeCoの節税が強いからといって、途中で必要になる資金まで入れてしまえば困る。
NISAが非課税だからといって、何でも買えばよいわけではない。
損益通算できるからといって、損失が軽くなるわけでもない。
ここを冷静に見ることが大切です。
そして何度でも繰り返しますが、
節税は合法、脱税は違法です。
制度に沿って正しく申告し、必要な税金はきちんと納める。
その上で、非課税制度や控除制度を活用して、無駄な税負担を減らす。
これが正しい考え方です。
つまり今回の結論を一言で言えば、
投資しながら節税するコツとは、「一番得する裏技」を探すことではなく、制度を正しく理解して、目的に合う形で使い分けること
です。
ここができると、節税はテクニックではなく、かなり堅実な資産形成の一部になります。
おわりに じゃあ、どうする?
では、どうするか。
おすすめはシンプルです。
まず最初に、
自分のお金を3つに分けて考える
ことです。
すぐ使うお金
10年以上先のためのお金
老後専用のお金
です。
この3つを分けるだけで、NISAとiDeCoの使い分けがかなりしやすくなります。
次に、証券口座は
特定口座(源泉徴収あり)
を基本に考え、税務を整理しやすくしておくとラクです。
そのうえで、損失が出た年や配当との通算を考えたい年は、確定申告も視野に入れる。
これが現実的です。
最後に、NISAやiDeCoを使うときは、
制度が良いから使う
のではなく、
そのお金の目的に合っているから使う
と考えてください。
その発想のほうが、長く続けやすく、制度を活かしやすいです。
節税は魔法ではありません。
でも、正しく使えば、投資の手取りを守るかなり強い味方です。
そして、手取りを守ることは、長期では資産形成そのものを守ることにもつながります。
だからこそ、怪しい裏技ではなく、制度の理解から始めるのが一番強い方法です。
【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
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